正看護師と准看護師の資格の違い

日本における看護師には、正看護師と准看護師の二つの免許制度があります。どちらの資格も医療行為を行うために必要な資格で、仕事先は主に病院、クリニック、老人ホームや訪問看護事業所などになります。

二つの資格は発行者が異なり、看護師免許は厚生労働大臣の発行する国家資格、准看護師免許は都道府県知事の発行する免許となります。准看護師の資格は取得先の自治体以外では無効というわけでは無く、全国で有効な資格であり、どこでも自由に働けるため働く場所や仕事内容は基本的に正看護師となんら変わりありません。

正看護師と准看護師の資格で大きな違いが出てくるのは、仕事における働き方や権限です。正看護師が患者のケアや診療補助、准看護師やその他看護補助者に自分の判断で指示できるのに対し、准看護師はこれらについて医師や看護師の指示を受けなければ仕事を行えません。医療行為について自身の判断で行ってはいけないのです。

また、待遇面でも差が出てきます。正看護師と准看護師では准看護師の方が給与は低く設定されており、どんなにベテランになったとしても新人看護師への指示・教育などは行えません。管理職への昇進の可能性も低くなるため、准看護師のまま現場の指導者を目指すのは難しいでしょう。できる仕事の範囲が定められているものの、実際に行う業務ではそこまで違いはありません。もしキャリアを磨きたいのなら、准看護師から正看護師への道を考えるのが妥当です。